LED ZEPPELIN / PHYSICAL GRAFFITI SESSIONS 【2CD】

LED ZEPPELIN / PHYSICAL GRAFFITI SESSIONS 【2CD】

販売価格: 4,500(税込)

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商品詳細

ツェッペリンとして6枚目のオリジナル・アルバムは初の2枚組となった。リリースは1975年2月で、このアルバムに伴うツアーが1975年に行なわれている。レコーディング自体は早い時期から断続的に行なわれており、特に1974年はデビュー以来初めてツアーが行なわれなかった年であり、その分レコーディングに専念できたわけだ。通常はどのアーティストでも最初に数多くの作曲を用意し、それを凝縮して1枚のアルバムを作るものである。ビートルズのホワイトアルバムでさえ、ジョージ・マーティンは「良い曲を選別してシングル・アルバムとして出すべきだった」と回想している。しかしこの時のツェッペリンはこのような手法と逆で、最初に1枚分のマテリアルを用意した後、これまでの未発表曲を加えて2枚組としたのである。この時に用意された新曲は8曲のみで、その他の曲は過去のアルバム制作の際に漏れた曲が加えられた。その点で、同じアルバムでありながらレコーディング時期が大きく離れたものも同時収録されている。

最初の2枚のアルバムで印象付けられたツェッペリンのイメージは、バンド自身が3枚目のアルバムで大きく壊す事になる。ツェッペリン・マニアとして知られる渋谷陽一ですら、3枚目のアコースティック主体のサウンドに不満を書いていたくらいである。そして1975年リリースされた『PHISICAL GRAFFITI』では、その渋谷陽一がなんとアルバム試聴前にライナーを書くという前代未聞の文章で「IVを踏襲したサウンドと聞いて興奮している」と期待を寄せていた。まさにレコーディング時期こそ幅広く時代が離れているものの、このアルバムに収録された楽曲群は全てファンの期待通りのツェッペリン・サウンドとして統一感を持っているのである。プラントはアルバム完成後の感想として「全てが目を見張るほど溶け合っていた」と述懐している。ローリングストーン誌では「サージェントとトミーとベガーズバンケットをひとつにしたような傑作」と最大限の賛辞をおくっている。本作は、その『PHYSICAL GRAFFITI』のレコーディング・セッション音源を収録したものである。レコーディングの詳細は明らかになっていないが、その内容から少なくとも6つの区分けが出来ると考えられる。本作は、それを曲ごとではなく、レコーディング時期の区分にて収録されている。

【ACOUSTIC SESSION】
「TEN YEARS GONE」は最終バージョンの煌びやかなサウンドと異なり、ここに収録のテイク1はアコースティック・ギターによる静かな演奏である。メロディは同じながら全く印象が異なるのが興味深い。歌詞はまだ乗っていない。テイク2と3はアレンジをアコギからエレキに変更してからのリフの確認である。ギターソロの部分もかなり完成に近くなっている。「THE ROVER」もアコギによる演奏である。アコギのみの演奏でありながら、あの独特のグルーヴ感が溢れており、プラントは未完成な歌詞をハミング交じりで歌っている。デビュー以来所属していたアトランティック・レコードとの契約満了に伴い、自主レーベルを立ち上げたのは1974年の事であった。そのレーベル名を「スワン・ソング」と名付けた。これはジミーが戯れに爪弾いたインスト曲のタイトルに由来すると伝えられる。その曲こそここに収録された「SWAN SONG」である。

【RECORDING SESSIONS 1】
「CUSTARD PIE」はアルバムの冒頭を飾るハード・ナンバーである。変則的なドラムに重ねられるギター、そしてそのエフェクト音はまさにIVに収録されていても違和感のないサウンドである。ここに収録のテイクはほぼ完成形に近い。リリース・バージョンはヴォーカルを控えめに楽器群を前面に出したミックスが成されていたが、ここではバランスのとれたものとなっている。エンディングがまだ決まっておらず、唐突な終わり方をする。「IN MY TIME OF DYING」はカウントから始まり、途中でバンド内でディスカッションを行ないつつ演奏を固めるため試行錯誤している様子が捉えられている。アレンジは確定しているものの細部が未完成で、このように演奏を重ねつつ完成に近付けていったのがわかる。プラントの歌はあくまで仮のガイド程度にとどまっている。「TRAMPLED UNDERFOOT」はゆったりしたテンポながらヴォーカルはダブル・トラックとなっており、かなり本格的なレコーディング・テイクである。ジョン・ポール・ジョーンズのキーボード・ソロにかなり長い時間が割かれており、そのソロもリリース・バージョンとは異なるものである。

【RECORDING SESSION 2】
「KASHIMIR」はツェッペリン・プライドとも称される壮大なアルバムの代表曲である。リリース・バージョンに比べかなりテンポは速めで、ヴォーカルは未収録。エンディングも異なる。「TEN YEARS GONE」はここではスタジオなのでエレクトリック・ヴァージョンとなっている。そしてこのセッション2で最も多くの時間が費やされているのが「NIGHT FLIGHT」と「BOOGIE WITH STU」である。

【RECORDING SESSION 3】
レコーディング・セッション3のメインは「TRAMPLED UNDERFOOT」である。印象的なキーボードのリフに乗せてプラントがヴォーカルを重ねている。メロディは純粋にヴォーカルに委ねられているが、まだ歌詞が未完成であるのがわかる。途中ブレイク部分もきちんと挿入されており、テンポは幾分ゆったり目で演奏もドタバタ感が否めないが、骨子はこの時点で完成しているのが伺える。テイク4はかなりゆったりしたテンポでオリジナルでは割愛された奇妙なギターが重ねられている。プラントは囁くように歌っており、まるでジャズのようなアレンジである。最終的にあのようなアップテンポになったのはレコーディングもかなり後になってからなのだろう。「IN THE MORNING」は「IN THE LIGHT」のワーキング・タイトルである。

【RECORDING SESSION 4】
「SICK AGAIN」はイントロからして聴き慣れないものである。ヴォーカルはオフ気味であるが、プラントのヴォーカルが全くオリジナルと別物で、このテイクを聴くと「BOOGIE WITH STU」を発展させたか、あるいは同じ派生から出来た曲ではないかと思わせる。「TAKE ME HOME」は「CUSTARD PIE」の元曲であろう。全く異なる曲でありながら「CUSTARD PIE」のフレーズが随所に現れる。

【RECORDING SESSION 5】
ここに収録されている4曲は、ほぼ完成形に近く、音も密室的なスタジオの雰囲気は皆無である。

【PHYSICAL GRAFFITI SESSIONS】
本作はツェッペリンの6枚目のアルバムに関して残存が確認されている全てのセッション音源を収録している。ライヴ・ステージにおいて様々なアプローチを見せてくれるツェッペリンであるが、そのステージでの演奏を支えているのが、このように熟考を重ねて作り上げられたスタジオ録音である。今でもロックのクラシクスとして知られている楽曲の制作過程を垣間見る貴重な音源である。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。

DISC ONE
RECORDING SESSION 1
01. abc song
02. Ten Years Gone #1
03. Ten Years Gone #2
04. Ten Years Gone #3
05. The Rover
06. Swan Song

RECORDING SESSION 2
07. Custard Pie
08. In My Time Of Dying #1
09. In My Time Of Dying #2
10. In My Time Of Dying #3
11. In My Time Of Dying #4
12. In My Time Of Dying #5
13. In My Time Of Dying #6
14. In My Time Of Dying #7
15. Trampled Underfoot

RECORDING SESSION 3
16. Kashimir
17. Ten Years Gone #1
18. Ten Years Gone #2
19. Ten Years Gone #3
20. Night Flight #1
21. Night Flight #2
22. Night Flight #3
23. Night Flight #4
24. Night Flight #5
25. Night Flight #6
26. Night Flight #7
27. Night Flight #8
28. Boogie With Stu #1
29. Boogie With Stu #2
30. Boogie With Stu #3
31. Boogie With Stu #4
32. Boogie With Stu #5
33. Boogie With Stu #6
34. Boogie With Stu #7
35. Boogie With Stu #8
36. Boogie With Stu #9

DISC TWO
RECORDING SESSION 4
01. Trampled Underfoot #1
02. Trampled Underfoot #2
03. Trampled Underfoot #3
04. Trampled Underfoot #4
05. Trampled Underfoot #5
06. Trampled Underfoot #6
07. Trampled Underfoot #7
08. Trampled Underfoot #8
09. Trampled Underfoot #9
10. In The Morning #1
11. In The Morning #2
12. The Wanton Song #1
13. The Wanton Song #2

RECORDING SESSION 5
14. Sick Again
15. Take Me Home #1
16. Take Me Home #2
17. Instrumental

RECORDING SESSION 6
18. Trampled Underfoot
19. In The Light
20. The Wanton Song
21. Swan Song