DAVID BOWIE / TRIPTYCH 【2CD+DVD】
DAVID BOWIE / TRIPTYCH 【2CD+DVD】
販売価格: 5,600円(税込)
在庫あり
■1976年3月17日ボストン公演を高音質で完全収録。
■ボーナストラックで1976年2月9日ロサンゼルス公演を収録。
■1976年2月2日バンクーバーでのリハーサルをプロショット映像で収録したDVD
ボウイ1976年のツアーは正式名称を「Isolar」と言う。アルバム『Station To Station』に伴うこのツアーは北米と欧州の2つのレグに別れ、合計64公演が行なわれた。残念ながらその他の地域では行なわれなかったが、精神的にけして良好とは言えない時期の、研ぎ澄まされたヒリヒリする感覚が伝わってくる緊張感あふれるコンサートとして、マニアにとっては特別なツアーでもある。次の1978年のツアーが「Isolar II」と題されたことから明確に区別するために「The White Duke Tour」や「The Station To Station Tour」、または「The White Light Tour」とも別称がある。
このツアーにおけるボウイの衣装は白いシャツに黒のベストと実にスタイリッシュなもので、痩せ細った肢体を露わにし、マイクを手ではなく指でつまんで歌う姿が、暗い影を帯びた妖艶な雰囲気を醸している。ルックス的には最も美しく耽美的な時期で、この中性的な色気は全盛期のジュリーと並び称されるものであろう。コンサートのオープニングではサルバドール・ダリによる映画「アンダルシアの犬」の有名な眼球を切るシーンなどがステージ後方のスクリーンに投影される不気味な始まり方をする。その他のステージの演出は1978年にも踏襲される蛍光灯を幾重にも並べたもので、それ以外は至ってシンプルな、まさに歌と演奏のみで勝負するステージであった。
コンサートのセットリストは幾分かの入れ替わりはあったものの、ツアー通して大幅な変更はなく、ほぼ統一されていた。それでなくてもアルバム『Station To Station』は長大な曲が並び、セットリストを流動させる余裕はなかったのだろう。ギターをアンプに寄せて敢えて歪んだ音を奏で重々しく始まる「Station To Station」、間髪入れずに始まる「サフラゲット・シティ」。MCはほとんどなく、曲だけが次々に進められていく。アルバム『Station To Station』が雄大なイメージがあるから、「サフラゲット・シティ」や「フェイム」など、アルバム収録曲以外の曲も同様に大きくゆったりとした印象を受ける演奏であり歌唱である。
4曲目は世紀の名曲「Word On A Wing」である。この曲がライヴ演奏されたのは本ツアーと、かなり後になってStorytellersなど限られており、数少ない貴重なライヴ・テイクである。とにかく、この「Word On A Wing」の素晴らしさは筆舌に尽くしがたい。ボウイの楽曲にはこのような特徴を持つものが多いが、「Heroes」しかり、決まったメロディを歌詞でなぞるのではなく、基本的なリフがあり、それをバックにボウイが自由に感情の赴くままに歌うというスタイルの曲に名曲が多い。そしてその特徴が最大限に効果を発しているのが「Word On A Wing」なのである。残念ながらスタジオ・バージョンのあの印象的なピアノはライヴでは使われておらず、曲の完成度はスタジオ・バージョンにかなわないが、それでもメロディの美しさ、曲の持つ魅力というのは充分に伝わってくる。ボウイの声に乗せて、まさに言葉が羽を持ち空に飛び立つかのような素晴らしいライヴ・バージョンである。
続いて演奏される「Stay」では、雰囲気を一転させ、かなりハードにギターをかきならすバックに対し、ボウイは悠然とマイペースで歌っている。しかし、これは全体を覆う雰囲気として他の曲にも言えることだが、ドラッグの影響をそこかしこに感じさせるところが聴いていて痛々しいところである。1974年のダイアモンド・ドッグ・ツアーを収録した『David Live』は、お世辞にも上手いと言えないバンドをバックに、空虚に向かってボウイが必死で歌う痛々しい様子が克明に記録されているが、この時期においてもボウイの精神状態は改善されておらず、どこか空虚で淋しい感じが払拭できないでいる。
「Queen Bitch」は古い懐かしい曲だが、このセットリストに組み込まれても違和感がないくらいアレンジが溶け込んでいる。そういった意味ではすべてが1976年のボウイの曲として再演されているのがわかる。同じ『ハンキードリー』から続いて「火星の生活」が演奏されるが、このツアー特有のアレンジで、フルに演奏されず、「5年間」とメドレーとなっている。「Panic In Detroit」は合間に長いドラムソロが挿入され、実に10分近い長さ。ここまでが前半になる。長い曲が多く、しかも「Panic In Detroit」が10分近い長さとあって、これでコンサートが終わっても充分に満足して帰路につける濃厚で充実した内容であるといえる。
後半はバンドのメンバー紹介から始まる。ここが素晴らしい萌えポイントなのだ。ボウイがまだメンバー紹介をしている途中からポロロンと美しいピアノの音が入ってくる。各メンバーの紹介をして、最後に「マイ・ネーム・イズ・デイヴィッドボウイ・・・アンディスコゥ、チェンジズ!」と自己紹介と曲名を告げると同時にドラムスがダン!と一発、あの曲のイントロになだれ込むという演出。この流れが非常に素晴らしい萌えポイントなのだ。重々しい「Panic In Detroit」の後に、涼風が吹き込むような何と爽やかな曲であろうか。何よりボウイのすがすがしい口調が前回のダイアモンド・ドッグ・ツアーと大きく雰囲気が異なるのに驚かされる。
本作は、このようなSTATION TO STATION TOURから、1976年3月17日ボストン公演を高音質のオーディエンス録音で完全収録している。オーディエンス録音といっても非常に高音質なもので、ツアーを代表する音源と言ってよいだろう。後述のロサンゼルス公演のように、高音質でも完全収録というのは少なく、音質と内容を兼ね備えた新たな定番タイトルとして位置づけられるものである。
なお本編の後にボーナストラックとして1976年2月9日ロサンゼルス公演から8曲が収録されている。残念ながらこの日のロス公演はこの8曲しか残されていないが、音のクオリティは本編のボストンに劣らず素晴らしいもので、コンサートのハイライトを高音質で楽しむことができる。
【DVD】
このツアーは1976年2月2日バンクーバーから始まったのだが、そのまさに当日に最終的なリハーサルが行われている。ゲネプロといってもよく、ほぼフルセットを本番さながらに最終確認の意味を込めてリハーサルを行なっている。その様子をプロショットで完全収録しているのがディスク3に相当するDVDである。完全流出映像で、カメラワークに乏しいものの、プロショットかつ音声はサウンドボードで収録されている貴重なツアー・リハーサル、しかも初日当日の最終ゲネプロである。今まで音だけでしか聴けなかったこのツアーのステージで、いったいどのような様子で演奏されていたのか、それを実際の映像で見ることが出来るのである。例えばオープニングの「Station To Station」のイントロにおける不協音はギターをアンプに近付けてわざと歪ませているなど、映像ならではの楽しみが出来る。痩身で美しいボウイの姿に見入ってしまうこと間違いない。時に笑顔で、時にシリアスに、かなり本番に近い真面目に歌っているのが印象的である。さらに特長のひとつとしては、固定されたセットリストのこのツアーにあって、イレギュラー的にセットリストに入れられていた「Sister Midnight」もリハーサルで演奏されている。おそらくこの時点ではまだ演奏の成熟度が低くステージで客席の前で演奏するのは時期尚早と判断したのであろう。
Heldenレーベルの最新作は、1976年ステーション・トゥ・ステーションに伴うツアーから、1976年3月17日ボストン公演を高音質で完全収録。さらにボーナストラックには1976年2月9日ロサンゼルス公演を残存する8曲を追加収録。ディスク3はDVDで、初日2月2日バンクーバー公演の本番前のリハーサル、リハーサルといってもセットリストを完全再現している通し稽古、ゲネプロをプロショット映像&サウンドボード音源で完全収録。1976年ツアーの最高峰といっても過言ではないセットとなっている。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。
DISC ONE
BOSTON GARDEN BOSTON MA U.S.A. March 17, 1976
01. Station To Station
02. Suffragette City
03. Fame
04. Word On A Wing
05. Stay
06. Waiting For The Man
07. Queen Bitch
08. Life On Mars?
09. Five Years
10. Panic In Detroit
11. Changes
DISC TWO
01. TVC 15
02. Diamond Dog
03. Rebel Rebel
04. The Jean Genie
INGLEWOOD LOS ANGELES CA U.S.A. Feburuary 9, 1976
05. Waiting For The Man
06. Word On A Wing
07. Stay
08. TVC 15
09. Panic In Detroit
10. Fame
11. Changes
12. Diamond Dog
DVD DISC
The National Exhibition Centre Vancouver, Canada February 2, 1976
TOUR REHEARSAL
01. Station To Station
02. Suffragette City
03. Waiting For The Man
04. Word On A Wing
05. Stay
06. TVC 15
07. Sister Midnight
08. Life On Mars?
09. Five Years
10. Panic In Detroit
11. Fame
12. Changes
13. The Jean Genie
14. Queen Bitch
15. Rebel Rebel
■ボーナストラックで1976年2月9日ロサンゼルス公演を収録。
■1976年2月2日バンクーバーでのリハーサルをプロショット映像で収録したDVD
ボウイ1976年のツアーは正式名称を「Isolar」と言う。アルバム『Station To Station』に伴うこのツアーは北米と欧州の2つのレグに別れ、合計64公演が行なわれた。残念ながらその他の地域では行なわれなかったが、精神的にけして良好とは言えない時期の、研ぎ澄まされたヒリヒリする感覚が伝わってくる緊張感あふれるコンサートとして、マニアにとっては特別なツアーでもある。次の1978年のツアーが「Isolar II」と題されたことから明確に区別するために「The White Duke Tour」や「The Station To Station Tour」、または「The White Light Tour」とも別称がある。
このツアーにおけるボウイの衣装は白いシャツに黒のベストと実にスタイリッシュなもので、痩せ細った肢体を露わにし、マイクを手ではなく指でつまんで歌う姿が、暗い影を帯びた妖艶な雰囲気を醸している。ルックス的には最も美しく耽美的な時期で、この中性的な色気は全盛期のジュリーと並び称されるものであろう。コンサートのオープニングではサルバドール・ダリによる映画「アンダルシアの犬」の有名な眼球を切るシーンなどがステージ後方のスクリーンに投影される不気味な始まり方をする。その他のステージの演出は1978年にも踏襲される蛍光灯を幾重にも並べたもので、それ以外は至ってシンプルな、まさに歌と演奏のみで勝負するステージであった。
コンサートのセットリストは幾分かの入れ替わりはあったものの、ツアー通して大幅な変更はなく、ほぼ統一されていた。それでなくてもアルバム『Station To Station』は長大な曲が並び、セットリストを流動させる余裕はなかったのだろう。ギターをアンプに寄せて敢えて歪んだ音を奏で重々しく始まる「Station To Station」、間髪入れずに始まる「サフラゲット・シティ」。MCはほとんどなく、曲だけが次々に進められていく。アルバム『Station To Station』が雄大なイメージがあるから、「サフラゲット・シティ」や「フェイム」など、アルバム収録曲以外の曲も同様に大きくゆったりとした印象を受ける演奏であり歌唱である。
4曲目は世紀の名曲「Word On A Wing」である。この曲がライヴ演奏されたのは本ツアーと、かなり後になってStorytellersなど限られており、数少ない貴重なライヴ・テイクである。とにかく、この「Word On A Wing」の素晴らしさは筆舌に尽くしがたい。ボウイの楽曲にはこのような特徴を持つものが多いが、「Heroes」しかり、決まったメロディを歌詞でなぞるのではなく、基本的なリフがあり、それをバックにボウイが自由に感情の赴くままに歌うというスタイルの曲に名曲が多い。そしてその特徴が最大限に効果を発しているのが「Word On A Wing」なのである。残念ながらスタジオ・バージョンのあの印象的なピアノはライヴでは使われておらず、曲の完成度はスタジオ・バージョンにかなわないが、それでもメロディの美しさ、曲の持つ魅力というのは充分に伝わってくる。ボウイの声に乗せて、まさに言葉が羽を持ち空に飛び立つかのような素晴らしいライヴ・バージョンである。
続いて演奏される「Stay」では、雰囲気を一転させ、かなりハードにギターをかきならすバックに対し、ボウイは悠然とマイペースで歌っている。しかし、これは全体を覆う雰囲気として他の曲にも言えることだが、ドラッグの影響をそこかしこに感じさせるところが聴いていて痛々しいところである。1974年のダイアモンド・ドッグ・ツアーを収録した『David Live』は、お世辞にも上手いと言えないバンドをバックに、空虚に向かってボウイが必死で歌う痛々しい様子が克明に記録されているが、この時期においてもボウイの精神状態は改善されておらず、どこか空虚で淋しい感じが払拭できないでいる。
「Queen Bitch」は古い懐かしい曲だが、このセットリストに組み込まれても違和感がないくらいアレンジが溶け込んでいる。そういった意味ではすべてが1976年のボウイの曲として再演されているのがわかる。同じ『ハンキードリー』から続いて「火星の生活」が演奏されるが、このツアー特有のアレンジで、フルに演奏されず、「5年間」とメドレーとなっている。「Panic In Detroit」は合間に長いドラムソロが挿入され、実に10分近い長さ。ここまでが前半になる。長い曲が多く、しかも「Panic In Detroit」が10分近い長さとあって、これでコンサートが終わっても充分に満足して帰路につける濃厚で充実した内容であるといえる。
後半はバンドのメンバー紹介から始まる。ここが素晴らしい萌えポイントなのだ。ボウイがまだメンバー紹介をしている途中からポロロンと美しいピアノの音が入ってくる。各メンバーの紹介をして、最後に「マイ・ネーム・イズ・デイヴィッドボウイ・・・アンディスコゥ、チェンジズ!」と自己紹介と曲名を告げると同時にドラムスがダン!と一発、あの曲のイントロになだれ込むという演出。この流れが非常に素晴らしい萌えポイントなのだ。重々しい「Panic In Detroit」の後に、涼風が吹き込むような何と爽やかな曲であろうか。何よりボウイのすがすがしい口調が前回のダイアモンド・ドッグ・ツアーと大きく雰囲気が異なるのに驚かされる。
本作は、このようなSTATION TO STATION TOURから、1976年3月17日ボストン公演を高音質のオーディエンス録音で完全収録している。オーディエンス録音といっても非常に高音質なもので、ツアーを代表する音源と言ってよいだろう。後述のロサンゼルス公演のように、高音質でも完全収録というのは少なく、音質と内容を兼ね備えた新たな定番タイトルとして位置づけられるものである。
なお本編の後にボーナストラックとして1976年2月9日ロサンゼルス公演から8曲が収録されている。残念ながらこの日のロス公演はこの8曲しか残されていないが、音のクオリティは本編のボストンに劣らず素晴らしいもので、コンサートのハイライトを高音質で楽しむことができる。
【DVD】
このツアーは1976年2月2日バンクーバーから始まったのだが、そのまさに当日に最終的なリハーサルが行われている。ゲネプロといってもよく、ほぼフルセットを本番さながらに最終確認の意味を込めてリハーサルを行なっている。その様子をプロショットで完全収録しているのがディスク3に相当するDVDである。完全流出映像で、カメラワークに乏しいものの、プロショットかつ音声はサウンドボードで収録されている貴重なツアー・リハーサル、しかも初日当日の最終ゲネプロである。今まで音だけでしか聴けなかったこのツアーのステージで、いったいどのような様子で演奏されていたのか、それを実際の映像で見ることが出来るのである。例えばオープニングの「Station To Station」のイントロにおける不協音はギターをアンプに近付けてわざと歪ませているなど、映像ならではの楽しみが出来る。痩身で美しいボウイの姿に見入ってしまうこと間違いない。時に笑顔で、時にシリアスに、かなり本番に近い真面目に歌っているのが印象的である。さらに特長のひとつとしては、固定されたセットリストのこのツアーにあって、イレギュラー的にセットリストに入れられていた「Sister Midnight」もリハーサルで演奏されている。おそらくこの時点ではまだ演奏の成熟度が低くステージで客席の前で演奏するのは時期尚早と判断したのであろう。
Heldenレーベルの最新作は、1976年ステーション・トゥ・ステーションに伴うツアーから、1976年3月17日ボストン公演を高音質で完全収録。さらにボーナストラックには1976年2月9日ロサンゼルス公演を残存する8曲を追加収録。ディスク3はDVDで、初日2月2日バンクーバー公演の本番前のリハーサル、リハーサルといってもセットリストを完全再現している通し稽古、ゲネプロをプロショット映像&サウンドボード音源で完全収録。1976年ツアーの最高峰といっても過言ではないセットとなっている。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。
DISC ONE
BOSTON GARDEN BOSTON MA U.S.A. March 17, 1976
01. Station To Station
02. Suffragette City
03. Fame
04. Word On A Wing
05. Stay
06. Waiting For The Man
07. Queen Bitch
08. Life On Mars?
09. Five Years
10. Panic In Detroit
11. Changes
DISC TWO
01. TVC 15
02. Diamond Dog
03. Rebel Rebel
04. The Jean Genie
INGLEWOOD LOS ANGELES CA U.S.A. Feburuary 9, 1976
05. Waiting For The Man
06. Word On A Wing
07. Stay
08. TVC 15
09. Panic In Detroit
10. Fame
11. Changes
12. Diamond Dog
DVD DISC
The National Exhibition Centre Vancouver, Canada February 2, 1976
TOUR REHEARSAL
01. Station To Station
02. Suffragette City
03. Waiting For The Man
04. Word On A Wing
05. Stay
06. TVC 15
07. Sister Midnight
08. Life On Mars?
09. Five Years
10. Panic In Detroit
11. Fame
12. Changes
13. The Jean Genie
14. Queen Bitch
15. Rebel Rebel
DAVID BOWIE / TRIPTYCH 【2CD+DVD】
販売価格: 5,600円(税込)
在庫あり